わーくぴあだより

わーくぴあ便り 2024年度8月号

2024.07.31

わーくぴあ便り 2024年度8月号

タイトル図 ひまわりの飾り罫、スイカ・お祭りのイラスト

「視覚障がい理解講座」

 先月9日に、神奈川区社会福祉協議会主催で「視覚障がい理解講座」が、わーくぴあで開催されました。

 8名の講座参加者さんとわーくぴあ利用者さんがペアになり、視覚障がい者の誘導の基礎を学びました。ガイドされる側の利用者さんにも気づきが沢山あったようです。長年視覚障がい者と過ごしてきた私にも学ぶところの多い一日でした。事前準備、当日の運営に当たられた区社協・地域ケアプラザのスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。

 わーくぴあは、8月13日から16日まで夏休みを頂戴いたします。酷暑と言われる夏、皆さまくれぐれもお身体ご自愛くださいませ。



畑便り

  オクラ、ナス、ピーマン等が順調に育っています。

店頭で無人販売しておりますのでよろしくお願い致します。




利用者からの投稿



[認知症]

 今年84歳になる母親が、「認知症」になった。

 今更だが、もっと早く病院、しかるべき所に相談しに行けば、認知症の進行を少しでも遅れさせられたのかなと、少し後悔している。

 とは言え、以前から、その傾向があったかと言うと微妙で、去年友人に会いに、数年ぶりに京都まで一人で行ったり、都内、有楽町、東京駅など友人と待ち合わせも、家族の心配はよそに、難なく?こなしていた様に見えた。

 20数年、都内某図書館でやっていた「点訳ボランティア」の仕事、自分が、まさか「BLINDになるとは夢にも思わなかったが、母親が点字の校正「点訳」をしていたので「点字」の存在は良く知っていた。その仕事も引退し、これまた20数年やっていた「ホームヘルパー」の仕事。80歳過ぎても「依頼があれば続けたい。」と言っていた、ある意味「生きがい」に感じていた仕事だったが、3年前に、自宅でコードに引っかかり転倒。外傷は少々あったものの、一週間程、検査入院して無事退院したが、自宅で転倒する人なんて雇いたくない気持ちも分かるが、仕事を辞めなくてはいけなくなった。要するに「くび」。自分の不注意とは言え悔しがっていたのを良く覚えている。それを機に、大好きだったオートバイ(原付ね)を乗るのも止めた。「還暦」過ぎて免許を取り、家族の心配はよそに、どこでも「最低速度」で、出かけていたが、乗るのを止めた、一挙に、色々自信が無くなって来た様だった。この頃から、「異変」が始まっていたのかもしれないと、今は思っている。

 今年になって、割と使えていた「スマホ」が使えなくなり、買い物に行って、(迷子?)帰って来るのに時間がかかったり、洗濯機の使い方を「忘れた」とか言い出す事もあったが、良くある「物忘れ」だと思い、いや、そう思いたかったのが正直な気持ちだった。

 4月に入ってからは、単なる「物忘れ」ではすまない事に。

 「ホームヘルパー」の仕事をしていた事を思い出すのか?洗濯、洗い物等など台所仕事が終わると、「終わりましたので、帰ります。」と言い出し身支度をして出て行こうとする。自分の事は「息子」として認識している様だが、父親の事は「利用者」と「夫」と、いったり来たりしているみたいだった。

 区役所に相談しに行き、「地域ケアプラザ」を紹介され、そこで指定された病院に行き、検査をして「担当医」を決めなくてはいけないとの事。病院に中々行ってくれず、一度は当日キャンセル、二度目で何とか行ってくれたが、その間、朝方、家を出て行ってしまい、二度ほど、警察に捜索をお願いする事もあった。

 その頃から現在、もう母親を家に一人で置いて置く事は出来なくなった。母親が外に出てしまったり、散歩がしたくなっても、「BLIND」の自分は、一緒に歩いて上げる事すら出来ない、何も出来ないんだと痛感した。

 指定病院の「担当医」が決まり、区役所に書類が提出でき、そこから約2週間程で、区役所の「ケースワーカー」が自宅に来て、母親の面接、認知度の検査をしに来た。名前、生年月日、住所、今日の日付等、映画だったか見た事があるが、ケースワーカーが色々、質問していき、体の動きも見ていった。その様子を横で見ていた、いや、聴いていたが、ここまで進んでいるのかと改めて思い、愕然とした。母親の「異変」に気が付いた友人達が、随分、訪ねて来てくれたが、その中でも「中学生」の頃からの「親友」との会話が、何とも。「最近、何だか急に、頭がおかしくなるのよね。」何とか母親は正気?を保とうとしながら、久しぶりの友人との会話を、楽しんでいる様だった。友人も「私も、そうよ!もう、お互い年なんだからね。」と言い、涙をこらえながら、抱きしめての会話を聞いていたら、思わず自分も涙が止まらなくなってしまった。

 そこから一か月後に、区役所から「介護度」が決まり、「介護保険」を使ったサービスが使える様になった。書類が届き「地域ケアプラザ」に相談、こちらの要望を伝え「ケアマネージャー」と契約した。希望の「DAYサービス」をいくつかピックアップしてもらい、その中から、良いんじゃないか?と思う所に、「BLIND」の自分も一緒に見学に行き、現在、週に何日か「DAYサービス」にお世話になり始めた。何とか気分よく?行ってくれている様だと思う。

 この間、約3か月か、「介護」をしている友人、その他いろいろな人に聞いてはいたが、こんなに大変だとは。自分の時間が、ここまで制限されてしまうとは思わなかった。とりあえず、今は一息ついたところ。新たに考えなくてはいけない事も出てきそうだ。

 当面の悩み?は、母親が時折、自分に「あなた、目が悪いの?」と聞いてくること。息子が「視覚障碍者」になった事を忘れている様だ。何となく「目が見えなくなった。」と、改めて母親には言いにくい。何て答えれば良いのだろうか?


GENERATION X「KISS ME DEADLY」を聴きながら/JUN BLIND



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